今朝、米国ABC放送を見ていると「外貨を使える店」が、アメリカ国内で増えているというニュースが目に入りました。そんな商店を取材したカメラの前には「ユーロオンリー!」の張り紙まで。 このニュースによると、今のところユーロなど外貨を利用できる店舗は欧州圏からの環境客が多い一部の街に限られていて、その理由は「観光客への配慮」とのことです。ただ、最初に外貨での支払いをスタートさせたお店が「酒屋」だったと言いますから、思わず「なるほど・・・」とつぶやいてしまいました。
確かに「外貨での支払い」の方が歓迎される国々はたくさんあります。こうした国の多くは訪れるたびに物価が高騰していることに驚かされます。皆様の中にも、グラス一杯のミネラルウォーターのためにお札を何十枚も並べなければならない経験をした方がいらっしゃるかもしれません。私はインドネシアで経験しました。
さらに、90年代の中南米では、年間5000%以上ものインフレ率を記録した国々があります。5000%のインフレ率とは、単純に物価が50倍以上に跳ね上がるということ。アルゼンチンやブラジルでは、朝の出勤時と夕方の帰宅時でバス料金が変更になっていることもしばしば!「カフェでコーヒーをおかわりすると二杯目は値上りしていた」というようなジョークもまことしやかに囁かれました。毎週のように頻繁に値上げが行われ、代わりに通貨の価値は減少していく・・・こんなハイパーインフレが、さらに通貨の価値を引き下げて混乱を招きました。 こうした国では、自国通貨の価値はあってないようなもの。現金で保有していては、1年後に50分の1の価値になってしまうのですから。一般の人々は少しでも早く、現金を食料や商品に交換するでしょう。少し資産を持つ商店主などは、高い手数料を支払ってでもゴールドやシルバー、他国の通貨に交換して資産を保全しようと考えます。このような場合に、お互いが手数料無しで商品とマネーの交換で利を得ることのできる「観光客の財布」が価値を増すのです。「ドル歓迎」「ドルオンリー」当時の南米では、こんな張り紙が目に付いたと言います。
もちろん、現在、米ドル安の要因は経済悪化が原因です。90年代、ハイパーインフレ状態にあった南米の国々とは環境があまりにも違いすぎます。ただ、世界の基軸通貨としての価値が米国内部からも崩れようとしている現実は、ある酒屋が「ユーロ歓迎」の貼り紙を店内に提示しだしたことと、それに追随しだした近隣の商店主たちの行動からも察することができます。
酒屋さんであれば、ユーロ高の影響でワインをはじめとした欧州からの輸入品仕入れコストの上昇にいち早く気付いたはずです。南米やアジア諸国から輸入されるドライフルーツなどのおつまみ類も然り。 現在の米ドル安は、ハイパーインフレで自国通貨の価値を失った南米のソレと全く別次元の話と言いきれるでしょうか・・・。
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